とっておきの音楽祭in名古屋 2023
三輪ゼミでは、とっておきの音楽祭実行委員会との産学福連携協定を2023年8月に締結し、とっておきの音楽祭の広報活動をお手伝いしています。
〈協力企業様突撃レポート〉ウェルジョブなごや様
「人の苦手は変えられないから、自分が変わる。」
そう語るのは統括責任者の吉田さんである。穏やかな笑顔で話しつつも、瞳の奥には障害者雇用に対する情熱が絶えず見え隠れしていた。隣に座る水本さんも、時に優しく頷きながら、福祉事業所のリアルを語ってくれた。
今回訪問したのはウェルジョブなごや。2019年に設立されたばかりだが、名古屋市から委託を受けて、市内に点在する就労支援窓口を集約しそれぞれを繋ぐ役割を果たしている。実は、運営を任されているのはMan to Man AnimoというMan to Manグループの特例子会社である。約15名の従業員のうち3分の1が障害者であり、一緒に戦力として働くことを大切にしている。ここで培ったノウハウは社外へも飛び出し、愛知県・名古屋市・岐阜県からの行政受託事業やIT事業の展開にまで広がっていった。
中でも特徴的なのは“企業支援×施設支援”と“企業特化型”だ。一般的には相反するとされる企業への支援と福祉施設への支援が、河村たかし市長の一声で”両輪”となった。そのため、ウェルジョブなごやでは企業支援と施設支援の両方を一体的に支援する、という全国的にも類を見ない支援体制が誕生した。珍しいのはこれだけではない。名古屋市に点在する就労支援窓口の多くは、障害当事者や障害者目線の職場定着に目を向ける。しかし、ウェルジョブなごやが注目するのは、企業目線の障害者雇用である。企業には企業の経営があり、論理がある。そこにまず寄り添わなければ、障害者の適性や希望、キャリアパスがないがしろにされ、障害者が長く働くことは叶わない。企業を本音ごと理解した上でアドバイスをし、現場が疲弊することなく障害者雇用を定着させていく。これがウェルジョブなごやの支援なのである。
冒頭の吉田さんの言葉には続きがある。
「でもこれは一般の雇用マネジメントと同じです。」何が得意で、何が不得意かを把握する。きっとこれはどの会社でも行われている。では、その得意不得意と障害による個人差に境界線はあるのだろうか。本来企業が見ているはずの社員一人一人の個性。そこに障害への理解をプラスするため今日もウェルジョブなごやは挑戦している。
(文責・三輪ゼミS.T.)