とっておきの音楽祭in名古屋 2023
三輪ゼミでは、とっておきの音楽祭実行委員会との産学福連携協定を2023年8月に締結し、とっておきの音楽祭の広報活動をお手伝いしています。
〈協力企業様・突撃レポート〉中電ウィング株式会社様
現在138名の障がいのある人を雇用する中電ウィング株式会社。障害のある人をこの会社ではチャレンジド(前向きに挑戦する人)と呼ぶ。実際、チャレンジドの皆さんが、各部署で生き生きと働いている様子を拝見し、まさに前向きに、社会へ、自分自身へ、挑戦を続けているように見えた。
中電ウィングは今から20年前、38名でスタートしたという。それが現在、チャレンジドも含め262名の大所帯となった。それぞれの障がいの特性に合わせ、デザイン業務、商品の梱包・包装、印刷、花壇維持管理や花栽培などの仕事を担っている。生まれつき両手のないチャレンジドは、両足と指でPCを操作し、見やすく美しい広報誌などをデザインする。知的障がいのあるチャレンジドは、100穴近くある育苗ピットトレーに種を1つ1つピンセットで植え付ける。聴覚障がいのあるチャレンジドは、大きな音のする印刷機をフル回転させても、気にもせず印刷を進める。もちろん、こうしたチャレンジドの業務に対して、ハード面・ソフト面のサポートをしているのも、中電ウイングの特徴だ。車椅子の高さに合わせたコンセント・スイッチ類の配置、オストメイト付のトイレはもちろん、1人になることの多いトイレや休憩室、ロッカーなどに呼び出しベルを設置している。アグリ作業では、その日の気温やそれぞれの体調に合わせて、水分補給の声かけを怠らない。表情や作業の進捗を支援者がしっかりと見、すぐに相談できる体制を整える。100人近くを収容できる休憩室では、電力会社らしく、明かりの「色」にこだわり、ゆったりくつろげる色の明かりで、従業員を癒やしている。
開業20周年を迎え、中電ウィングは新たな挑戦もしている。その1つが、「いちご事業」である。職場定着率の高い同社では、勤務年数が長くなり、体力面・認知能力が低下する中高年のチャレンジドが増えてきた。そこで、体力が弱っている人こそ優しく扱える、いちごの栽培に乗り出したのだ。いちごの苗は4枚の葉になるように日々手入れし植え付ける。半年もの期間を、大切に大切に育てられたいちごの品種は「よつぼし」。それぞれが光り輝き、4つの願い、Work・Independence・Nice・Growth(WING)を実現できるそんな会社が中電ウィングであった。
(文責・三輪ゼミM.M.)